月刊ASV(May.2021)Ⅱ~eS-LEAGUE CUP~
【eS-LEAGUE CUP グループ抽選】
GROUP A
GROUP B
GROUP C
GROUP D
我々ASVはGROUP A。対戦相手はSTEに決まった。もし初戦を勝てれば、次の対戦相手はFC NoiR。どちらのチームも親睦の深いチームで、顔見知り同士のブロックとなってしまった。
【× STE 前半】
結果から先に述べれば、ASVはSTEに惜しくも1点差で敗戦。互いに得点を奪い合うゲーム展開となった。
両チームともに新しいシーズンに向けて用意された新システムで挑む。そしてYoutubeでの配信により多くの目に晒される互いのプレーは、新シーズンのタイトル獲得へのアピールにもなるはずだ。
H:STE(バイエルン)3-4-3
A:ASV(フランス)4-1-4-1
<試合のスタッツ>
支配率が60%に近い数値示せたのは狙い通りだ。パス成功率もSTEが63.7%に対し、ASVが77.2%だった。そもそもSTEはASVとは真逆で縦に速くボールを運ぶスタイルだったのだから、支配率やパス交換数で数値の差が出るのは不思議ではない。
注目したシュート数でもほぼ互角で、ASVは1試合を通して8本のシュートを放つことが出来ている。枠内へのシュートの確率はSTEが44.4%に対し、ASVは62.5%だった。数値だけで見れば、ボールを支配して枠内率の高いシュートシーンを作り出していたと言える。もちろんSTEは枠を捉えることはできなかったが、決定的なシーンをシュートの度に作り出していたことも忘れてはならない。
それでは試合内容に移ろう。
開始5分
ポグバの選手表示があるところにいるのがLCBののーの。彼からボールをポテが受けたシーン。
その前に右サイドからハンモー(RCB)→ちゃむ(DMF)→のーの(LCB)へとボールが動かされていた。
おわかりだろうか。ポテの横にいるSTEの選手(LWG)が彼を追い越していることを。
ハンモーとちゃむがボールを持っていた時、LWGは高い位置でプレッシャーをかけていた。ボールがのーのへ渡ると、画面左上のスコアが表示されている辺りまで下がっていく。
のーのがターキー(LSB)に渡しリターンパスを受けると、LWGはすぐさま画面の位置まで上がってくる。そしてポテを掠めるように走り、狙いはハンモー、もしくはポテとハンモーの間に位置し、パスコースを遮ることにあったと思われる。
もしボールホルダーのポテが前を向いたら?ポテについては後方からMFが間もなくチェックに当たっており、高い位置でのショートカウンターを狙ったプレーだった。
思惑通りLWGがポテとハンモーの間でパスをカットすると中央のCFに渡し、フリーで先制点を決められてしまった。
前述通り、STEは前へ速くボールを運び、判断や操作スキルでゴール前で勝負をしていた。またピッチ片側に選手を集めボールホルダーや周囲の受け手を囲い込む守備も健在で、逆サイドはCBが開いたり時には4バック気味になりながら守っていた。
失点直後にASVはボールを後ろへ戻しはするものの前へ前へと運ぶと、少しずつ相手ゴールに近づきスペースを見つけられていた。また相手が3バックなだけにCBの外側のスペースが空いており、そのエリアへのショートパスやロングパスも増やして行った。
21分
STEの追加点のシーン。ASVゴール左前でのFKを得たSTE。FKに対し、CFが走り込んで頭で合わせてネットを揺らした。このシーンも配信で振り返ると、キッカーは最初からCB間のスペースに照準を合わせており、CFはキッカーがモーションに入ると同時にCB間のスペースに向けて走り出していた。
2点差をつけられてからも、36分にはサイドからクロスを放り込まれ、これをクリア。さらにロスタイム、うめしゅ(GK)がクリアしたボールを跳ね返されショートカウンターを浴びる。シュートは枠外に外れて失点を免れた。
【× STE 後半】
前半はSTEの攻撃を受けることが多かったASVだが、後半は徐々にチャンスを作り出していく。
57分
待望の得点シーン。ゴール前を固めて守っていたASVだったが、クリアボールを南ちゃん(CF)が左サイドまで流れて拾い、ここから始まる。
南ちゃん→ターキー(LSB)→うめしゅ(GK)へ
のーの(LCB)はうめしゅ(GK)からボールを受けると、ふっちゃん(OMF)へ縦パスをつける。
ふっちゃん(OMF)→ターキー(LSB)→ふっちゃん→レジ(LMF)へと左サイドでボールが前へ進んで行く。
レジ→南ちゃん(CF)に渡ると、画面中央へ走り込むポテ(OMF)へ。
ポテから縦パスを受けたケンタロウ(RMF)がDFをかわしてネットを揺らした。
CFが拾ったボールを一度GKまで戻し、左サイドから最後は中央を崩しての一連のシーンだったが、このプレーの成功の要因は「距離感」と「ボールタッチ」にあると感じている。
前半、ターキー(LSB)がボールを受けても、のーのに戻すことが多かった。それは斜め前にいるふっちゃんにマークがついていることと、サイドハーフのレジが内へ絞りすぎて、縦のパスコースを作れないこともあった。このシーンではSTEはASVゴール前まで攻め込んでいたため、初期配置に選手を配置することができなかった。それでも途中よりピッチ片側への追い込みの守備が発動するのだが、上記のポジショニングの修正と距離感が良くなったことでASVはパスを繋ぎやすくなった。そしてSTEの守備が機能しなかった最大の理由は、ASVがすべてワンタッチ、ツータッチでボールを前へと運び、チェックに行ききれなかったことにある。ツータッチにすることで味方が攻め上がる時間を作り、チェックが予想される所ではダイレクトではたく。この一連の判断がシュートシーンへと繋がったのだと感じている。
選手が動きながらワンタッチ、ツータッチでボールを繋いでいく。そしてポジションに囚われず多くのプレーヤーがフィニッシャーになる可能性のある。そういうプレーこそ新しいASVの攻撃スタイルだ。
78分
ASV追加点のシーン。
右サイドで開いてボールを受けたケンタロウは中央の南ちゃん(CF)に斜めにスルーパスを送る。
そのままエンドラインまで持ち込むが、ニアへの走り込みが遅れた。南ちゃんは2人に囲まれ、ニアへ走り込んだレジも2人のマークにあう。だが2人で4人の注意を向けさせたことが得点に繋がっていく。
南ちゃんが技ありのプレーで2人のマークを剥がし、近くのポテへ。それを見るや、赤いユニフォームの2人の選手が中央から詰め寄ろうとする。
だが、その詰め寄ることこそ、後からゴール前へ走り込んでいたふっちゃんをフリーにさせた。
フリーでパスを受けたふっちゃんは狙いすましてゴールネットを揺らした。
これでスコアは3-2。前半2-0と一方的な試合展開となったが、後半はASVが巻き返した。もっと失点していたかもしれない。シュートがこれほど決まらなかったかもしれない。だが、粘り強く守備をし、チャンスを逃さなかった。そしてプレシーズン通して自分たちのスタイルの良い所、悪い所を把握し共有してきた時間が、この緊張感溢れるCUP戦で成果を出していたと思う。
だが前述の通り、このままタイムアップ。STEに勝つためには、我々にはまだ足りないものがある。これから長いリーグ戦を戦っていくには、まだまだ改善する所はたくさんある。だが、開幕1週間前に見せるプレーとしては希望の持てるものではなかったか。
初戦敗退となってしまったが、ASVは前日も翌日も練習だという。このプレシーズンは新しいスタイルに馴染むために、普段よりも多い練習量でASVは活動してきた。これはASVとしては異常なのだ。だが、そこまでしなければ、今日のこの結果はなかっただろう。
開幕まであと1週間、まだ1週間ある。しっかりと準備をして、顔ぶれの変わった数多くのチームが溢れるリーグ戦を戦って欲しい。
※CUP戦の結果については、eS-LEAGUE公式HPで確認することができます。記事作成時にデータが揃っていなかったので、本記事では試合内容のみとなります。